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土を豊かにすることが、地域を豊かにする――基腐病後の現場から見えてきた「さつまいも経済圏」の現在地
基腐病の流行以降、さつまいも農業は長く不安定な状態が続いてきた。「出るかもしれない」という前提で畑に立つ緊張感は、農家にとって大きな負担だった。 今回、小鹿農業生産組合の中馬亮太さんに話を聞く中で印象的だったのは、基腐病を「完全に克服した」と語るのではなく「向き合い方が変わってきた」と表現していた点だ。 「怖さ」は消えたわけではない。ただ、見え方が変わった 「正直に言えば、基腐病がなくなったわけではありません。ただ、以前のような“何をしてもダメかもしれない”という怖さは、かなり薄れてきました。」 理由として挙げられたのは、薬剤や品種の話ではなく、土壌の状態だった。 病気より先に見るべきものは「土の環境」 中馬さんが繰り返し口にしたのが、「水はけ」と「土の状態」だ。水が溜まり、嫌気状態になると、土はヘドロ化し、匂いが出て、病気が広がりやすくなる。一方で、水が抜け、菌のバランスが保たれた土では、問題が起きても広がりにくい。 「病気が出るかどうかより、その畑が“踏ん張れる状態かどうか”のほうが大事だと思っています」 土の変化は、数字より先に「感覚」に表
2月26日


土壌が整えば、収量は応える――薩摩酒造・生産部の視点から見た、2025年度さつまいも生産の実像
鹿児島県枕崎市でさつまいも栽培農家を行いながら、 有限会社サザン・ファーム にも所属している山﨑さんへインタビューを行った。25年度のさつまいも生産は、「全体としては良かった年だった」と振り返られる。その要因を特定の技術や品種に限定せず、 天候・品種選択・土壌状態・工程管理が重なった結果 として捉えている。 25年は台風の影響が少なく、天候にも恵まれた。前年のように気温が上がりすぎて後半に失速することもなく、収量が最後まで大きく落ちなかった点は、全体としても特徴的だった。 一方で、品種ごとの差や、新たな病気の兆候も見え始めている。現場の感覚だけでは見えにくい「構造」と「傾向」を、生産側の立場からどう見ているのか。 その視点が、今回のインタビューの軸となった。 「25年度は、全体として良かった年だった」 Q|まず、今年のさつまいも生産を全体としてどう捉えていますか? 山﨑さん 25年度は、全体としては良かった年だったと思います。収量も計画を上回ったところが多く、他加工業者でも「計画以上に集まった」という声が出ています。 台風が来なかったことも大
2月25日


焼酎から広がる「サツマイモ経済圏」 基腐病、酒離れを越えて世界と次世代へ
土壌伝染性の病害「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」の知見集積などを目的とした産学連携コンソーシアム「みんなのサツマイモを守るプロジェクト–Save The Sweet Potato–」(SSP)は今秋、次の世代へサツマイモをつなぐ取り組みとして、2023年に初開催した「イモマモフェス」を福岡市内で開きました。 ことしは、第1弾が焼酎編、第2弾がスイーツ編として2度の開催に渡り、それぞれ多彩なゲストを迎えてトークセッションを繰り広げました。今回は、第1弾の焼酎編の様子を紹介します。 芋焼酎の伝統を守りながら、どのように世界へ、そして次の世代へと広げていくのか――。イモマモフェスの第1弾の焼酎編では、「サツマイモで酌み交わす、地域と未来」をテーマに掲げ、LINK SPIRITS代表の冨永咲氏、薩摩酒造福岡支店の小林泰樹氏、小鹿酒造営業部長の田中博文氏、飼料・農園芸資材商社「welzo」取締役でSSP代表の後藤基文の4人が登壇。フリーアナウンサーで「さつまいもアナウンサー」としても活動する鳥越佳那氏が司会を務め、「サツマイモ」と「焼酎」のいまとこ
2025年12月26日


40年の協業が築いた絆と挑戦――寿海酒造が語る焼酎づくりと地域への想い
2025年春、新たにSave the Sweet Potato(SSP)に参加したスイートポテトブランド「陽(あかり)」。その専務である江藤さんは、干しいも界の革命児といっても過言ではない存在だ。水産加工業の技術を起点に、今では焼き芋・干しいも・健康食品・芋焼酎まで手がける...
2025年9月17日


“干しいもで町を変える。” 陽(あかり)が描く、サツマイモの未来
2025年春、新たにSave the Sweet Potato(SSP)に参加したスイートポテトブランド「陽(あかり)」。その専務である江藤さんは、干しいも界の革命児といっても過言ではない存在だ。水産加工業の技術を起点に、今では焼き芋・干しいも・健康食品・芋焼酎まで手がける...
2025年5月27日


基腐病を乗り越え、新たな焼酎づくりへ――小鹿農業生産組合が語る未来への挑戦
近年、鹿児島県を中心に深刻な影響を及ぼしているサツマイモ基腐病。焼酎業界においても大きな課題となっています。この問題に対して小鹿農業生産組合はどのような影響を受け、どのような対策を講じているのか、担当者に話を聞きました。 前回取材記事はこちら 基腐病による生産への影響...
2025年5月1日


挑戦を続ける、くしまアオイファーム
宮崎県串間市を拠点に青果用サツマイモを扱う農業法人、株式会社くしまアオイファーム。自社でのサツマイモ生産に加え、契約農家からの買取りを行い独自の販路開拓を特徴としています。サツマイモを熟成させる貯蔵庫の整備や、香港やシンガポールなどアジア圏への輸出も積極的に展開し、商品価値...
2025年4月9日


会社の屋台骨を支える「芋けんぴ」。だからこそ、新鮮なコガネセンガンにこだわる:澁谷食品株式会社
澁谷食品株式会社は高知県に本社を置き、半世紀以上にもわたりサツマイモ菓子だけを作り続けている食品メーカーです。澁谷食品の商品を代表するのが「芋けんぴ」。生産量は全国シェアの50%を誇り、自社ブランドだけでなく小売各社のプライベートブランド商品なども手掛けています。鹿児島県鹿...
2023年12月21日


焼酎生産への影響は今も続く。焼酎文化を守るためにもサツマイモ農業を守りたい:井上酒造
井上酒造株式会社は、宮崎県南部に位置する日南市で明治27年から酒づくりを営む伝統ある酒造メーカーです。 昭和58年に日本初の「減圧蒸留」という手法を100%使った芋焼酎を発売したり、豊かな湧水を使ったチョウザメ養殖で国産キャビアを開発したりなど、時代に合わせた変革を得意とし...
2023年12月4日


地域や研究機関と力を合わせ、「共創」で農業を強くする。くしまアオイファームの挑戦
宮崎県串間市で青果用サツマイモを専門に扱う農業法人、株式会社くしまアオイファーム。もともとは一家でサツマイモ農家を営んでいた池田誠氏が2013年に法人化し、アジア圏への輸出や独自ブランドの開発などを通して、年商22億円の企業へと成長させました。...
2023年11月30日


「品種を選ぶことが一番の対策になっている」サツマイモ農家・永山さん
鹿児島県鹿屋市で専業農家を営む永山さんは、18年ほど前に父親から家業を継ぎ、サツマイモの栽培を続けています。 芋焼酎の原料となる品種「コガネセンガン」を長年つくってきましたが、サツマイモ基腐病の影響によって状況が変わってきました。2023年の状況をうかがいました。...
2023年11月8日


コガネセンガンと新品種のバランスを取りながら工夫を積み重ねる:小鹿農業生産組合
鹿児島県鹿屋市の小鹿酒造は、周辺の4つの小さな酒蔵が集まって協業組合として1971年に発足しました。そこで原料として使用するサツマイモを一元管理するために設立されたのが、農業法人(有)小鹿農業生産組合です。サツマイモの安定調達と地元農家との共存共栄のために活動しています。...
2023年11月6日


試行錯誤を繰り返し、昨年よりも収穫量は増加傾向に:兼業農家(サツマイモ)農家・山崎さん
鹿児島県枕崎市でサツマイモを栽培し、焼酎メーカーへ納品しているサツマイモ農家の山崎さん。 前回、栽培シーズンが始まる前にお話をうかがった際には、「できる限りの対策のなかで試行錯誤するしかない」とお話されていました。 2023年のサツマイモ基腐病の発生状況はどうなっているので...
2023年11月2日


「サツマイモ基腐病の影響で収穫量が最盛期の3分の1に」兼業農家(サツマイモ)農家・山崎さん
鹿児島県枕崎市でサツマイモの栽培農家を行っているを営む山崎さん。主に焼酎の原料となる品種「コガネセンガン」を栽培し、焼酎メーカーへ納品しています。 それまで大きな病気がなかったサツマイモの様子に異変を感じたのは「2018年の夏ごろだった」といいます。...
2023年4月20日


伝統的芋焼酎の品質を守るために。焼酎メーカー・薩摩酒造がサツマイモ基腐病に対して取り組んでいること
薩摩半島の南部に位置し東シナ海に面する鹿児島県枕崎市には、日本を代表する焼酎メーカー「薩摩酒造」が拠点を構えています。 1936年創業の薩摩酒造は、全国有数の焼酎メーカー。芋焼酎「さつま白波」のほか、麦焼酎「神の河」などさまざまな焼酎の製造販売を手がけています。...
2023年4月20日


品種改良でサツマイモ基腐病対策に寄与したい。AgTechスタートアップ「CULTA」の取り組み
近年の技術革新によって、さまざまな業界で変革が起こっています。農業分野でも「AgTech」や「アグリテック」と呼ばれるデジタル技術を取り入れた新たな農業を模索する動きが広まっています。次世代の農業生産の環境整備を目指すスタートアップ企業「CULTA」もそのひとつ。同社は新た...
2023年4月20日


「目の前の異変に状況もわからず怖かった」サツマイモ農家・永山さん
大隅半島の中央部に位置する鹿児島県鹿屋市でサツマイモ農家を営むナガヤマさんが、父親から家業を継いだのは17年ほど前。機械の導入により、それまでの倍以上の収穫量にも対応できるようになったことで専業農家に転身し、芋焼酎の原料となる「コガネセンガン」の栽培に取り組んできました。サ...
2023年2月1日


「関係者が協力してサツマイモ基腐病の被害を乗り越えたい」芋焼酎の風味を支える小鹿農業生産組合
大隅半島のほぼ中央に位置する鹿児島県鹿屋市。西側は錦江湾に面しており、シラス台地の土壌を生かしたサツマイモの産地として知られています。南東部に広がる国見山地(肝属山地)のふもとに、鹿児島焼酎の酒蔵、小鹿酒造があります。 小鹿酒造は、周辺の4つの小さな酒蔵が集まった協業組合と...
2023年2月1日


「収入が減り、経費が増える。負のスパイラルを食い止めてほしい」サツマイモ農家・白井さん
大隅半島の南西部に位置する鹿児島県錦江町。西側は錦江湾に面しており、東側の大部分は肝属山地(国見山地)で占められています。そんな山間部で長年農家を営んでいる白井さんも、サツマイモ基腐病の被害に苦しめられている1人です。 異変に気づいたのは4〜5年ほど前。さまざまな対策を行い...
2023年2月1日
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